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2015年5月21日 (木)

ビルマ(ミャンマー):  「石炭火力反対!」 モン州の住民6,000人の声がこだま――日系企業が計画するイェ石炭火力発電事業にNo!

 

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「チャウックニートゥウェ !」(ビルマ語で石炭の意)
「アローマシー !!!」(ビルマ語でNoの意)

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「チャウックニートゥウェ !」
「アローマシー !!!!!」

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「石炭」という掛け声で一人が音頭をとると、「No!」と集まった住民6,000人が応えます。「No Coal」(石炭にNo)の紙を各々の頭の上に掲げながら、住民の声はどんどん大きくなっていきました。

5月上旬のある朝、モン州イェ郡アンディン村は、石炭火力発電所への強い反対の意を示す住民の熱気に包まれました。モン民族の衣装を腰に巻き、傍目から見ても揺るぎない住民の団結力を感じさせます。

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この村では、現在、東洋エンジニアリング(TEC)のタイ関連会社TTCL(旧トーヨー・タイ・コーポレーション)が、石炭火力発電所(640メガワット*2基)を建設しようとしています。2014年から調査が始まり、2015年4月には、ビルマ電力省とTTCLが建設に関する合意書を締結。2016年から着工予定であることがTTCLのホームページや記者会見で発表されました。

しかし、2014年4月に同村で初めてTTCLによる住民協議会が開かれて以来、住民らは一貫して同事業への反対の意を示してきました。TTCLが事業に関する十分な情報提供をしていないことに加え、住民の生活の糧が奪われることへの強い懸念があるからです。

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住民らはタイNGOの協力の下、すでにコミュニティー内での生計手段に関する調査を進めており、調査の結果の一部をモン語とビルマ語で村内に貼り出しています。この調査結果によれば、同村の主な生計手段であるビンロウジ、コメ栽培等の農業、漁業を合わせた同村の年間総収入額は、TTCLが同村に約束しているCSR(企業の社会的責任)の額を上回るとのことで、どれほど彼らの生計手段が彼らの生活にとって重要なものであるかを物語っています。

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「団結力を見せることが目的ではありません。事業を完全に中止させることが目的です。ですから、この団結を続けていかなくてはなりません。このコミュニティーの歴史は大変長く、このような挑戦は初めてではありません。今回も私たちはこの課題を乗り越えなくてはなりません。」
――2時間続いた集会で、同村の僧侶代表が述べた締めくくりの言葉です。朝日と云えど、まだ乾季の鋭い日差しが容赦なく照りつけるなか、6,000人の住民はそのまま座って聞き入っていました。

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企業側は2014年12月にコミュニティーのメンバー数名やビルマ政府関係者等を含む視察団を日本に招待し、「日本の石炭火力はクリーンな技術を使うので、問題は起こりません」と国内の石炭火力発電所を見せて回るなど、コミュニティーの分断を図ろうとしています。また、6,000人集会の会場の周りにはビルマ人の警察官らが配備されていた他、同集会の数日後には、近くに駐屯しているビルマ軍が同村内を徘徊して帰っていくなど、明らかに「監視」の目が強くなり、無言の圧力が住民にかけられています。

報道によれば、この事業では、TECだけでなく、IHIや東芝が機器を受注し、国際協力銀行(JBIC)や三井住友銀行が融資を行なうことが視野に入れられているそうです。こうした日本の関わりが深い開発事業で、企業や軍・警察の圧力に立ち向かわなくてはならないアンディン村のコミュニティーを私たちもしっかりとサポートし、コミュニティーの不和・分裂が生じぬよう、また、彼らの意思が尊重され、生活が破壊されてしまうことのないよう、できることから活動を始めていきたいです。

(あばんて記)

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